Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

スポンサーサイト                 

一定期間更新がないため広告を表示しています

: - : - : - : posted by スポンサードリンク :
世界の中心                 

木漏れ日の中で、きらきらと輝いて見える人は、あたしのソウルメイトだ。
今でも信じられないぐらいの幸運に出会えたことに、今さらながら心から感謝する。
エドワードみたいな完璧な人が、あたしの目の前にいること自体が奇跡だもの。
たとえトラブルに100件見舞われたとしても、エドワードがいてくれるならどんなことだって耐えられるような気がする。
そんなことをぼんやりと考えていると、近くで走り回っていたエドワードがすぐそばにいた。
「どうしたの?」
ベルベットのような、なめらかな声。
半ばうっとりとしながら、あたしは軽く首を振った。
「ううん、何でもないわ。そんなことより早く草原まで行きましょ?」
「そうだね」
エドワードは輝くような歯を見せて笑うと、手をそっとつないだ。
「君はまだ走るのが苦手?」
「走るのはあたしじゃなくて、あなたでしょ?」
そう言いながらあたしは苦笑した。
「でも、もう大丈夫。あたしも少しは慣れたみたい」
「それは良かった」
エドワードはするりとあたしの手をほどくと、背中にあたしを乗せようとした。でもすぐに動きが止まる。
まるで彫像のような感じのエドワードに、あたしは戸惑った。
「どうかしたの?」
「いや、早く着くよりもこうやって君とゆっくり行った方が楽しいかなぁと思って」
そう言いながら、自分の指をあたしのにしっかりからめてにんまりと笑う。
頬が真っ赤になったあたしに、エドワードは切なげに笑っておでこにキスをした。
「やっぱり、こうやって頬が赤くなるのがかわいいんだよな」
「嘘ばっかり」
小声でつぶやいたあたしの声は、もちろんエドワードに聞こえてしまう。
「嘘なんかじゃないさ」
うるんだゴールドの瞳が、目の前にある。
そのことに動揺したあたしは、思ったとおり息が吸えなくなってぜいぜいとあえいだ。
「ベラ」
呆れたように言いながらも嬉しそうなエドワードを軽くにらんで、あたしはするりとエドワードの腕を逃れた。
「もう、あなたが話題をそらすからいけないのよ。さっさと行きましょ?」


草原はあたたかな空気に包まれ、ふんわりとした草はまるで羽毛のようだった。
「もうすぐね、入学式」
明るい太陽の光を浴びてきらめくエドワードの腕をそっとなぞりながら、あたしはつぶやいた。
あっという間に長期休暇が過ぎていくような気がする。
「あぁ。結婚式もね」
返された言葉に、思わず顔をしかめる。
「あなたはそればっかり」
不満げにうめいたあたしを見て、エドワードはくすくすと笑った。
「君が承諾したんだってこと、忘れるなよ」
「ホント、とんだバケモノと結婚することになっちゃったわよ。絶対後悔するわね」
苦笑気味につぶやくと、突然エドワードは真面目な顔つきになった。
「君を、後悔なんてする暇もないぐらいに幸せにするよ」
その口調に合わせて、あたしも真剣になる。
前よりは、エドワードの気分の波についていくのが大変じゃなくなった。きっと転生したら、もっと楽になる。それがあたしの喜び。
「わかってる。でもあなたのそばにいるのを後悔なんてするわけない」
「だといいけどな」
一転して、エドワードの口調は普通に戻る。
あたしもリラックスして、彼に体を預ける。そっと髪をなでてくれるのが嬉しくて、あたしはゆっくりとエドワードの胸にすりよった。
「もし―――ここに戻ってこられなくなったら、二人で南の島に行くのもいいかもね」
つらいことだけれど、考えなくてはいけないとわかってる。
エドワードはいつもあたしに気を遣ってくれるけれど、それで問題から逃げられるわけじゃないもの。
「北極や南極はどうしたの?ベラ」
あたしが無理に明るい声で話しているのがわかったのだろうか、エドワードも明るい口調で返してくる。
「まぁそれもいいけど、あたしはあったかい方が好きだし」
「それはそうだ」
おかしそうなエドワードに、あたしはぎゅっとしがみついた。
これから言うことは、あたしにとってまだ癒えていない傷を針でさすようなことだ。だから、つらそうな顔を見られないように。
「ジェイコブとはもう会えないと思ってる。だから・・・」
「ベラ、無理しなくていい。まだまだ考える時間はある」
「そうよね。あたしが転生するまでの、あっという間の時間ならね」
思わずとげとげしくなったあたしの口調に、困ったようにエドワードが息をつくのがわかった。
「ベラ・・・」
「だから、今のうちから慣れておかなきゃいけないの。自分でもわかってるのよ」
大丈夫。言い切った。声もかすれてない。
エドワードには気づかれなかったはず。あたしが泣きそうだってことは。
「ベラ、完全に会えないと決まったわけじゃない。もし君が望むなら、このままでいることだって可能なんだよ」
エドワードが暗に言ったことがわかって、あたしは息をぐっとのんだ。
エドワードは、あたしが転生することに好意的ではない。はっきり言って、できるならこのまま人間でいてほしいと思っている。魂が救われないかもしれないなんて、あたしにとってそんなことはもうどうでもいいのに。
だからこうやって、あたしの心が揺らぐ瞬間に意見を持ち出してくる。
「あたしの最大の望みはわかってるでしょ」
最大の、のところを強調して言い返すと、エドワードは不安げに瞳を瞬かせた。
「だけど・・・君はジェイコブ・ブラックのことが話題になるたびにすごく・・・つらそうな顔になる。ぼくは思うんだよ。これで本当にいいのだろうか、と。ぼくよりも、あいつのそばにいるほうがベラにとって幸せなんじゃないかと」
あたしは顔をしかめた。今までどんなに胸の傷がうずいても、出来る限り冷静な顔をキープしてきたつもりだったのに。エドワードがいなくなったときもそうだったけれど、あたしは冷静なフリをする能力が人一倍劣ってるんじゃないだろうか。
「そんなはずないって、自分でもわかってるくせに」
あたしの言葉に、エドワードは顔をゆがめた。
「そんなことない」
「ウソよ。だってエドワードは誰よりも―――あたしには理解できないぐらい―――あたしのことを大切に想ってくれてる。もしもジェイコブのところにいる方が安全で、あたしにとってそれがベストなら、たとえあなたの望みに反してもあなたはそうするでしょ」
エドワードは諦めたような顔をして、少しだけ微笑んだ。
「そうとも限らないよ」
「どうして?」
「ぼくは自分の望みを突き通すかもしれない」
もうすでに突き通してるけどね、というかすかなささやきは無視することにする。
あたしはぎゅっと眉をよせて、何もない空間をにらんだ。
エドワードは本当に話をそらすのが上手い。それだけは認める。
「ところで、転生した後はやっぱり人がいないところがいいわよね。やっぱり南の無人島かな」
「ベラ、その話はもうやめよう。今でなくてもいいんだから」
自分が強情なことはわかっている。それでもあたしは話を続けようとした。
「それとも南極がやっぱりベターかな。でもアリスたちは嫌がるかもね」
「ベラ・・・」
「エドワード、あたしもうこれ以上逃げたくないの。今まであたしはさんざん嫌なことから逃げてきた。だけど、それで問題が解決するわけじゃないでしょ?もしかしたらジェイコブの傷が癒えればあたしの傷も癒えるのかもしれない。もしくはジェイコブの傷が癒えてもあたしのは癒えないのかも。だけど、どっちになるかは誰にもわからないの。それを待つのは、とても無理。この痛みを抱えながら生きていくのがあたしの義務なのよ」
ずっとこの何週間か考えてきたことを言葉にするのは、思ったよりも難しくなかった。
「わかってくれるでしょ」
かすかにつぶやくと、横から小さなため息が聞こえた。
「わかってたよ。そうやって君は何でも一人で背負おうとするって」
あたしは少しだけ苦笑した。
「でもね。エドワードがいてくれるから、あたしは大丈夫。たとえこの痛みが永遠に消えなくても。あたしにとって、なくてはならないものはわかってるもの。あたしの中で、世界の中心はあなただけだから」
エドワードは呆れたように首を振るとつぶやいた。
「君はぼくのことを買いかぶりすぎてるよ」
「そうかしら?」
「あぁ、そうさ」
少し乱暴な口調でエドワードは言うと、突然あたしの上に覆いかぶさった。自分の体重があたしにかからないように支えてはいるけれど、瞳の奥では楽しそうな感じ。
「世界最高の肉食獣が世界の中心だなんて・・・。君はやっぱりトラブルを引き付ける磁石だよ」
「でもあたしもその仲間になる。だから危険じゃなくなるでしょ」
重要な点を指摘すると、エドワードは顔をしかめた。
「まあね」
やっぱり認めたくないみたい。勝ち誇ったようなあたしの表情を、エドワードはじっと見つめた。
「でも知ってる?ぼくにとっての世界の中心も君なんだよ、ベラ」
一瞬だけ鼓動が止まり、また動き出す。
「そう言ってくれると思ってた」
あたしはかすかに聞こえるかどうかの声でささやいた。


あたしの世界の中心が永遠にエドワードであるように、彼の世界の中心もあたしであってほしい。
そう、心の中でそっと祈る。

旧拍手お礼文です。やけに重たい話題から軽い話題へところころ変わってる(苦笑)お粗末さまでした。

: 版権関連 : comments(0) : - : posted by なごみまくり :
スポンサーサイト                 
: - : - : - : posted by スポンサードリンク :
Comment








<< NEW : TOP : OLD>>