Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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月の光-Edward side-                 

狩りにいくのはいつも気が進まない。
ベラの瞳に影がよぎるのは、自分のせいだとわかっているから。自業自得だし、仕方ないとは思ってもやっぱりつらかった。
からっぽの心を抱えたまま狩りをしていても、思い浮かぶのは彼女のことだけ。
今ここにいてくれたら、と願うたびに、自分の感情に嫌悪感を感じエドワードは顔をゆがめた。
ベラが吸血鬼になる。
それだけのことなのに、今だに正しいことなのか確信が持てない。いや、この先一生そうなのだろう。
そばにいてほしいと願いながら、魂を奪うことはいけないと叫ぶ理性と戦い続けている。ベラに出会った瞬間から、ずっと。矛盾する気持ちを抱えて決断を下したときも、事態は何ひとついい方向へ転がらなかった。サイアクの傷跡を残しただけ。
人間になれるなら、どんなことだってするのに。
そう思えたのは、もしかしたら今が初めてかもしれないとエドワードはぽつりと思った。


ため息をつきながら、ボルボをフォークスへと走らせる。
小さな緑の街。
初めてベラの家に入ったときのことを考えて、エドワードはかすかに笑みをもらした。
そういえば、あのときも寝言を言ってたんだった。
自分の名前を呼ばれたときの、不思議な感動は簡単に忘れられるものではない。
新しい人生になってから、思い出と呼べるものはみんなベラに関係してることだと思うと、エドワードは頬が自然と緩むのを感じた。
彼女の人生のそばに、自分が立っていられる。そのことが、無性に嬉しい。
猛スピードで過ぎ去っていく窓の外の景色を横目に、まるで今感じてる時間の流れにそっくりだと、一人思う。
人生の意味なんて何も感じていなかった、あの頃。
暗闇に堕ちたまま、彷徨い続けて。終焉なんて一生こないと思っていた。多分、始まってもいなかったんだろう。強烈な香りとともにもたらされた、何よりも大切な存在を知るまで。
自分の求めているものに出会ったとき、きっと人は喜びに息もできなくなる。
運命という気まぐれに振り回されながら、刹那的に生きる人間の姿を何度愚かだと思ったことだろう。
けれど、自分がなってみれば同じことを繰り返すことに気づいた。
人も、吸血鬼も、変わらない。
胸の中を熱くする、この想いは何一つ変わらない。


眠っているかもしれないと思い、そっと足音を忍ばせて窓際に近寄る。
ゆっくりと部屋を覗いて、エドワードは凍りついたように動かなくなった。
「ベラ?」
唇だけで小さくつぶやく。
空から漏れ出る月の光に映し出されたシルエットは、まるで天使のようだった。
ゆるやかに舞う花びらのように、可憐な動き。かすかに動く唇は、何かを歌っているかのようだった。
手をそっとのばし何かを掴もうとしている姿に、思わず目を奪われ、エドワードはしばらくそのまま佇んでいた。
こんなに綺麗なものが在るなんて、今まで知らなかった。出会えてよかったと、心から思う。
「ベラ?」
今度こそは、声を出して愛しい名を呼ぶ。
「エドワード?もう帰ってきたの?」
驚いたようにこちらを見つめる瞳の中に、自分の姿が映っていることに満足して、ぼくは微笑んだ。
「眠れなかったの?」
「ちょっとだけ。空が綺麗だったから」
いけないことをしていたのが見つかったかのように、彼女はそっとささやいた。
そっとそばに寄り添って、座る。
「ぼくに夜空は似合わない。星や月のような、明るいものはぼくたちの種族にはふさわしくないから」
「そんなことない。エドワードみたいに輝いてる人が明るいものに似合わないわけないもの」
諦めたような口調でつぶやくと、ベラは顔をしかめてぼくをにらんだ。
「それに闇の世界は退屈だ」
からかうように言うと、ベラは不満げな顔をした。
「でも、あなたはいつだってあたしの寝言を聞いて楽しんでるでしょ?」
「そうだね。君と出会ってからは、ずっと夜も退屈しないでいられる」
思わず笑みを漏らし、ぼくはそっとベラの手にそっと自分の手をのばした。
かすかに温かいこの手を永遠につなぎとめておきたいと、ただ願い、ぼくはそっと握られた手に指先をぎゅっと絡ませた。
「今日は早かったのね」
「急いで帰ってきたから。ぼくのハートを早く返してもらわないといけないだろ?」
笑って言うと、ベラは少しだけ不安そうな顔をした。
「そうね、すごく早かったわ。でもそんなことしなくたって大丈夫なのに」
その言葉に、ぎゅっと心臓が凍りそうになる。いない方がいいのだろうか?
ベラの気持ちがつかめないのは、こういうときにサイアクになる。
傷ついた表情を見せないように、目をそらしながら聞く。
「帰ってこなくてもよかった?」
「まさか。でもあなたが狩りをゆっくりできなくなってしまうでしょ」
心配そうに、目の下をなぞるベラの指先に、ぼくはたった今の不安を忘れて少しだけ酔いしれた。
この感覚を、誰にもとられぬように。優しい手つきで、そっとその指をつかんでぼくは微笑んだ。
「それよりも、ベラと一緒にいる方がいいに決まってる」
月の光のもとできらきらと瞳を輝かせながら笑うベラに、少しだけ心配になる。
「さぁ、ベラ。もう寝たほうがいい。明日も学校があるんだから」
「まだ眠くないもの・・・」
ぎゅっと眉間にしわをよせるベラに、ぼくは軽く鼻を鳴らした。
まったく・・・寝不足で困るのは君なのにね。
「眠るまで、歌ってるから」
なだめるように言って、そっと子守唄を歌う。
ゆっくりとまぶたを閉じる眠り姫を抱いて、ぎゅっと胸に抱き寄せと、かすかに湿った髪が頬に当たった。夜風にさらされて、風邪でも引かないかと心配になる。
そばにあったタオルでゆっくりと髪をなでると、ゆっくりと首に腕が回って、ぼくはかすかに笑みを漏らした。また寝言でも言うのかな。
そう思って見ると、ベラはもう小さな寝息を立てて深い眠りの中にいた。
そっと抱き上げて、ベッドの上へ運ぶ。
やすらかな寝顔を見つめて、ぼくはそっとベッドの端に腰を下ろした。


一人で空を眺めると、さっきの情景が目に浮かんだ。
天使という言葉がぴったりな、何者をも近づけない神聖な空気。
吸血鬼特有の白い肌やゴールドの瞳に、ベラはいつもコンプレックスを感じるようで、前にターニャのことを聞かれたときはどきっとした。
だけど。
「吸血鬼なんて、足元にも及ばないよ」
この存在が、もうすぐ人間としての人生に終止符を打ってしまう。
それだけが、どうしても残念だった。本当なら、ぼくに出会わなかったなら、この人生はきっと末永く続いていくのだろう。ジェイコブ・ブラックに支えられて。
けれど、起こってしまったことはもう変えられない。
救われるべき魂があるということを確信できないまま、ぼくはベラをこの身と同じ立場へ落とそうとしている。もしも願うなら、人間になるのに。
ただ一つの願いを心に留めながら、ぼくはそっと彼女の頬を優しくなでた。

夜は始まったばかり。

エドワード視点。前半はつらつらと考え事になってしまった・・・orzもっと精進しなければダメですね--;

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