Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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月の光-Bella side-                 

窓の外に光るかすかな明かりを、あたしはぼんやりと眺めた。
今日は、エドワードは狩りに行ってしまって夜も一人ぼっち。
今でも、あたしは一人になると怯えてしまう。もうヴィクトリアもいないし、エドワードも去ってしまうことはないとわかっているのに。
だけど、こんな風に寂しくてどうにかなりそうになるってことは、エドワードには言えない。
もし言えば、エドワードは片時も狩りに行こうとしなくなってしまうから。
それはあたしのわがままというものだ。寂しいからと言って、エドワードをそばに縛り付けておくなんて。
だから、あたしはひたすらに隠そうとしてる。
多分、少しはエドワードも気づいているのだろう。じゃなかったら、ここを発つときにあんな不安そうな眼をするわけがない。だけどエドワードは何も言わない。あたしに優しいキスをするだけ。「すぐに戻ってくる」という力強い言葉を残して。
なぜこんなに不安になるのだろうと、自分でも思う。今となっては、エドワードがあたしのもとから去る可能性なんて0%なのに。
アリスはあたしが訳もなく怯えていると思っているけれど、それは微妙に違う。
あたしは自分が怯えているのが何かを、知っているから。
あたしは、エドワードがあたしに飽きてしまうことを恐れてる。多分、それは彼があのヴィクトリアの襲撃から命がけで守ってくれたこと差し引いても、あたしに怯えさせるには十分だった。
いまだに悪夢を見る根本の原因は、あたしの心の中の怯えだ。
もしかしたら、エドワードはあたしなんて好きじゃなくなるかもしれない。
自分に自信を持てたことなんて、今まで一度もないもの。まぁ、運動神経がフォークス一悪いってことぐらいは自信があるけれど。でもそれが二人の間のこの狂おしいほどの想いに、何のプラスになるっていうわけ?
だから、いつかはエドワードもあたしなんかに興味を持たなくなるのではと考えてしまう。
ましてや、吸血鬼になったらもう永遠に一緒にいるに等しいのだ。
毎日一緒にいるたびに、鬱陶しがられたりしたらどうしようと、心の中でパニックになりかけてしまう。ましてや、たとえ転生してあたしが強く美しくなったとしても、性格はあまり変わらなそうだし。
今からそんなことを考えたって仕方がないから、絶対に表には出さないけれど。
あたしはシルクのベッドカバーを握り締めて、そっと窓を開けた。
森の中から狼の遠吠えが聞こえて、あたしは少し動揺した。いまだにジェイコブに会えるなんて思っているとしたら、相当のお気楽者だ。幸いなことにか、残念なことにかどちらを言うべきなのかわからないけれど、少なくともあたしはそこまでノーテンキではない。
あたしはいつも冷静でいる代わりに、いつだって悲惨な状態になるのがオチだもの。
狼も寂しいのだろうか。何度もこだまする鳴き声には哀愁が感じられて、ベラは顔をゆがめた。
もしもあたしがすべてを変えられる神様だったのなら、今すぐにあの狼のそばにいって、狼に変身して慰めてあげるのに。でもそんなことは絶対にありえないし不可能だ。そもそも、あたしが神様なら、こんなアンフェアな世界はつくらない。よっぽど神様は退屈で意地悪なんだろうと、ベラは恨めしげに空にかかっている月を見つめた。
だけど、自分でも分かっている。
意地悪な神様もいるかもしれないけれど、一番の問題はあたしの我が侭だということを。
あたしがここまで欲張りでなければ、世界は正しく回って、そして愛するエドワードやジェイコブが苦しむこともない。
今夜は満月だ。その美しさは、まるであたしの愚かさを強調するかのように、空には一つの星もない。
ゆらゆらとかすかに揺れるカーテンのすそをぎゅっと掴むと、ベラはそっとその場にしゃがんだ。
ここはカレン邸だ。あたしはこの頃よくここに連れてこられる。多分、また無茶なマネをしないようにアリスに見張られてるんだろうけれど。
そこまで危険視しなくてもいいのに、エドワードは心配性だから。
あたしはほのかに明るい月の光を全身に浴びながら、ゆっくりと窓の外を黙って眺めた。
ここフォークスでは、滅多に星なんて見えない。月だって、こんなに綺麗に見えるのは珍しいくらい。
フェニックスにいたころ、あたしはただ意味もなく夜空を見つめるのが好きだった。昼間と違って、明るすぎない空が優しく見えたから。星や月も、太陽と違ってきらきらとまぶしく輝くこともない。だけどあたしは、そっちの方が安心する。輝くような偉大さには、あたしに似合わない。


「ベラ?」
突然背後から小さな声が響き、あたしは驚いてぐるっと後ろを向いた。
この声なら、いつどこで聞いたって聞き間違えることはないだろう。ベルベットのようになめらかで、世界中で一番優しい声。
「エドワード?もう帰ってきたの?」
あたしはかすかな声でささやいた。
「眠れなかったの?」
エドワードは、質問には答えず微笑みながら聞き返した。
「ちょっとだけ。空が綺麗だったから」
それを聞いて、今初めて気づいたかのように、エドワードは窓辺に近寄ってきた。
「ぼくに夜空は似合わない」
まるで自分に言い聞かせるかのような口調に、あたしはただ黙ってエドワードのとなりに座った。
「星や月のような、明るいものはぼくたちの種族にはふさわしくないから」
「そんなことない。エドワードみたいに輝いてる人が明るいものに似合わないわけないもの」
顔をしかめて反論すると、エドワードのかすかに苦笑する声が聞こえた。
「それに闇の世界は退屈だ」
「でも、あなたはいつだってあたしの寝言を聞いて楽しんでるでしょ?」
不満げに言うと、エドワードは楽しげにくっくっと体を震わせた。
「そうだね。君と出会ってからは、ずっと夜も退屈しないでいられる」
かすかにささやかれた言葉に、どきどきと心臓の音を高鳴らせながら、あたしはぎゅっとエドワードの手を握った。すべすべとして、硬くて冷たいけれど誰よりも力強い手。
「今日は早かったのね」
「急いで帰ってきたから。ぼくのハートを早く返してもらわないといけないだろ?」
エドワードにふれられると、いつも身体中が電流が流れたように熱くなる。でもどきどきと言うことを聞かない心臓も、この気持ちも決して不快なものにはならない。
何度繰り返しても慣れることはないだろう、この気持ちの高鳴りは何よりも大切なものだから。
「そうね、すごく早かったわ。でもそんなことしなくたって大丈夫なのに」
確かめるようにうるんだゴールド色の瞳をのぞきこむと、エドワードは少しだけ傷ついたような顔をした。
「帰ってこなくてもよかった?」
「まさか。でもあなたが狩りをゆっくりできなくなってしまうでしょ」
「それよりも、ベラと一緒にいる方がいいに決まってる」
そうつぶやいた声はあまりにも小さすぎて、本当にそう言ったのか確信が持てなかった。
「さぁ、ベラ。もう寝たほうがいい。明日も学校があるんだから」
「まだ眠くないもの・・・」
不満げにつぶやくと、エドワードは苦笑してささやいた。
「眠るまで、歌ってるから」
ゆっくりと腰に回された腕にそっと微笑んで、あたしはゆっくりと眠りに落ちていった。
多分、今夜はいい夢を見られるはず。

短い・・・本当にSSって感じになってしまいました。設定は9巻の後。

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