Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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Sweetsはお好き?                 

「ベラ、できたわよ」
「あっ、うん。ありがと」
手伝ってくれるのに感謝してにっこりと微笑むと、アリスからは目もくらむような輝きの笑顔が返ってくる。
アリスは、本当にこの頃、すごく機嫌がいい。多分、あたしが一族になることに一番好意的なのはアリスかエズミだからかも。
でもアリスは本当に視点が変わっていると思う。
普通なら躊躇したりすることも、彼女は独自の目線で考える。もちろん未来が見えることが大きな理由だろうけれど、それだけではない気がする。彼女には、他人には思いつかないような特別な考え方があるのだ。そして、あたしはアリスのその考え方が好き。
今、あたしたちはオレンジタルトを作っている。
料理が不得意ではないあたしにとっては、そんなに大変なことではないけど、アリスにとってはほぼ初めてに等しいから、いろいろと教えてあげなきゃいけないことも多い。
「あ、そこはゆっくり混ぜて」
「こう?」
「うん、そうそう。そんな感じで泡立つくらいまで混ぜてくれる?」
「オーケー」
アリスは頷くと、ゆっくりと混ぜ始めた。
「ねぇ、こんなこと言って悪いけど。アリス、こんなことやっててホントにおもしろいの?」
楽しそうなアリスに、あたしはおずおずと問いかけた。
アリスにとって、食べ物をつくるってあんまり意味がない。自分が食べるわけでもないのに、こんなお菓子を作って楽しいのかな。
あたしにつき合わせてしまってるんじゃないかと、ときに不安になってしまう。
「おもしろいに決まってるじゃない。あたし、ほら事情があってこういうことやったことないし」
事情、というのはアリスの悲しい過去のことだ。あえて、あたしたちは具体的には話さないことにしている。つらすぎるから。
「でも、自分が食べるわけじゃないでしょう?」
「まぁ、そう言ってしまえばそうだけど。でもジャスパーにあげるから。作ったのを見て、喜んでくれるよ」
にっこりと笑いながら言うアリスに、あたしは思わず顔がほころんだ。
「それなら有意義かも」


「エドワード、きっと怒ってるよね」
ため息まじりのベラに、アリスは鈴のような声で笑った。
「そうね。『女の子だけの秘密』って言われたときの顔、見たでしょ?相当ショック受けてたわよ。あたし、彼のあんな表情初めて見たかもしれない」
「言えてる」
あたしはため息をついた。
「エドワードって、たまに信じられないくらいうるさくなるときがあるもの。それはそれで嬉しいんだけど・・・」
「独占欲が強いってことでしょ。あの子はずっと長い間、あたしにとってのジャスパーのような存在を見つけられなかったから、余計にそばにいたいんだと思う」
しみじみと言うアリスに、あたしはうん、と頷くことしかできなかった。エドワードにとっての大切な存在に、自分がなれたことが嬉しくて、同時にまだ信じられない。
「このオレンジケーキ、エドワードにもあげてみようかな」
小さなつぶやきだったのに、アリスはにんまりと笑って言った。
「それ、いいんじゃない。エドワードも絶対喜ぶね。あたしから邪魔したおわびって言っておいてよ」
焼きあがったケーキを確認しながら、あたしも笑った。
「うん。伝えておく」
きれいに焼けたケーキを、二人でそっとオーブンから取り出す。
あたたかいオレンジ色を見つめて、あたしたちは顔を合わせて笑った。
まるで太陽の光のような色。
これを食べる人にも、そんな温かい光が差し込めばいい。
このケーキにつめられた想いが、ちゃんと相手に届きますように。そんな願いをこめてラッピングをする。


「エドワード?」
さっきまでリビングにいたはずなのに。自分の部屋にいるのかなと思い、彼の部屋へ行ったが、姿はない。
「あの、エドワードがどこにいるのか知りませんか?」
玄関の掃除をしているエズミに、遠慮がちに聞くと、エズミは驚いたようにあたしを見た。
「あら、あなたたちと一緒じゃなかったの?」
「えと、まぁ。ちょっと探してみます」
そう言って、テラスに出てみると、彼はそこにいた。
「エドワード」
安心して名前をそっと呼ぶと、エドワードはゆっくりと振り向いた。
「やっと終わった」
すねたような口調のエドワードに、思わず苦笑いする。
「ごめんね。退屈だった?」
「それほどでは」
気にしていないようなふりをしているけれど、視線が手に持っている袋にいっているのにすぐ気がついてしまう。微笑ましくて、あたしはそれをすぐに差し出した。
「これ、アリスと作ってたの」
「だからあんなこと言ったんだ」
つまらなそうに、ちょっと恨みがましく言うのは、アリスの「これは女の子だけの秘密なの」という言葉のことだ。
でも、はい、と手渡すと、彼の目が大きく見開かれた。
「ぼくに?開けても構わない?」
「うん。・・・でもあなたには向いてなかったかも」
今になって後悔したってもう遅いのに。あたしはエドワードの反応が気になって、横目でそっと彼の様子をうかがった。
するするとリボンがほどけて、中からオレンジ色のスポンジケーキが出てくる。
「あなたは食べられないから、あんまり意味ないかもしれないけど」
「そんなことないよ。ありがとう」
いつもどきどきする、明るいトパース色の瞳が、すぐ近くに迫ってきた。少し離れようとしても、テラスの手すりにぶつかって行動範囲を狭められてしまう。
「エドワード、ちょっと離れた方が」
「ぼくは甘いものが大好きなんだよ。特に君がね」
甘い口調でささやかれた言葉に、あたしの頬は真っ赤に熱を持った。
「エ、エドワード」
何言ってるのと、続けて言おうとした言葉は、エドワードの唇で優しくふさがれてしまう。
あぁ、もうだめ。眩暈がしてきて、エドワードに負担をかけないように精一杯平常心を保とうと努力する。
「ぼくにとって君は甘いお菓子以上の誘惑だからね」

さらりとそんなことを言うエドワードに、あたしは恥ずかしくて何も言えなくなった。
「・・・」
「これ、ありがとう。ありがたくもらっておくよ」
「うん」
「できれば、ぼくはもう一つほしいものがあるんだけどな」
上目遣いの目線で言われた言葉にくらくらしながら、問い返す。
「ほしいものって?」
「・・・君」
「はっ?!」
思わず間抜けな声が出る。
「な、何言ってるのよ・・・エドワードったら」
「おいで」
「えっ!ちょ、ちょっと待ってよ。どこ行くのよ」
腕を引っ張られ、慌てて引きとめようとするけど、エドワードの力には勝てないに決まってる。
にんまりと笑ったエドワードの次の言葉に、あたしは何も言えなくなった。
「ベッドの上に決まってるだろ」


旧拍手お礼文でma-koさんへの捧げ物。甘々なエドベラになった・・・はず(笑)ベラの誕生日にアリスがケーキを作ってたので、もしかしたらお菓子作りとか好きなのかなぁと。

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