Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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生徒会は大混乱 take.2                 

生徒会室に入ったあたしは、一瞬自分の目を疑った。
「何、これ・・・」
風船やダンボール、そして数々の書類やゴミの山。
足の踏み場もないほどに散らかったその部屋には、10人ほどの男女がそろっていた。
ほこりっぽい空気を吸って、少し咳き込みながらあたりを見渡すと、唯一きれいな場所が一角だけあるのに気がついた。
「あそこだけきれいね」
「そりゃ、君の領域だからね」
つぶやくと、エドワードが顔をしかめながらぼそっと言った。
・・・そういうことだったのね。あたしが仕事をするときはあの机でやるんだ。
でも、こんな汚い部屋にいるなんて耐えられない。
周りにいる女生徒たちも、不機嫌な顔をして突っ立ってるし。
「えーと・・・生徒会長のベラ・スワンです。これからよろしくお願いします」
一応挨拶はしてみたものの、気だるい返事しか返ってこない。
第一、あたしは生徒会というもの自体をよく知らないのだ。フェニックスでもやったことなんてなかったし。
困惑しながらも全員の簡単な自己紹介も済んで、一息つこうとした瞬間、突然ドアがばたんと音をたてて開いた。
「遅くなりましたー!選挙管理委員長のマイク・ニュートンです」
大声を張り上げながら入ってきたマイクは、明らかに空気を読んでいない。
しらけた感じでマイクを見る彼らに気づいた彼は、軽く咳払いをして言った。
「これから生徒会の活動には参加させてもらうことが多いと思うんだ。どうぞよろしく」
でもマイクのにこやかな笑みは、次の瞬間エドワードの言葉で固まった。
「どうして君がいるのかな。選挙管理委員会は、生徒会とは活動が違うはずだけど」
明らかにむっとしているマイクに向かって、他の女子たちも反論し始める。
「そうよ。あんたが何で出てくるわけ?」
「別に用ないわ」
容赦ない彼女たちの言葉に、マイクは顔をしかめた。
「別にいいだろ。仕事は山ほどあるんだから」
「そりゃそうだけど・・・」
マイクのことをにらみつけてるエドワードを見て、あたしは腕を引っ張った。
「エドワード、だめよ。あんまり喧嘩売っちゃ」
「別に喧嘩は売ってない。向こうが勝手に来たのが悪いんだ」
まるで子供のような口調に、あたしは苦笑する。
これで百歳を超えてるなんて、ちょっと信じがたいわよね。
「そういえば、この部屋どうしてこんなに汚いのよ」
一人の女生徒が文句をつけるようにつぶやいた。確かに、ついこないだまで誰も使ってなかったはずなのに。
「あ、ぼくが書類を運んでおいたんだ。去年からの引継ぎ分」
「・・・あんたのせいでこんなに汚いゴミ溜めになってるわけね、ここは」
怒りが込められた言葉に、思わずマイクが後ずさった。
「今日中に全部片付けといて」
そう言うと、皆一斉に帰る支度をし始める。
「あ、あの。今度の活動はいつ?」
「多分火曜日の放課後。文化祭の準備に取り掛からなくちゃいけないの」
親切な女の子の返事に、あたしは少しほっとした。
「あの、名前は何だったかしら」
「あたし?あたしはマリア。マリア・フルートン」
「よろしく、マリア」
生徒会の中では初めてともいえる、まともな友達ができそうで、あたしはほっとしながらマリアの後姿を見送った。


でも火曜日はもっと悲惨だった。
「おい、書記はどこ行ったんだよ!ノート置きっ放しだぞ」
「ちょっと、これ誰か印刷しておいてよ」
「結局表紙絵は誰のになったんだ?」
「アンケートの結果まとめた紙がどっかいっちゃった。みんなも探して」
様々な声が飛び交う中で、あたしは呆然としたままエドワードのそばに突っ立っていた。
「あーちょっと、そこどいて。危ないから隅にいた方がいいと思うけど」
ぐいぐいと押されながら叫ばれて、あたしはたじたじとなった。
「ごめんなさい・・・」
謝っても、もはやそこには誰もいない。
この学校は、行事もすべて生徒主催でやる。だからこんなに大変なんだ。
生徒会ってすごく大変とは聞いていたけど、ここまでとは思ってなかった。
「なんか、何すればいいのかわからなくて困っちゃうね」
困惑したように佇むマリアも、私と同じ生徒会初心者だ。
「うん。逆に何かすると邪魔になりそう・・・」
「あー、ベラ。こっちでちょっと手伝ってよ」
そのとき、部屋の外から声が聞こえた。
「何?」
おそるおそる見にいってみると、マイクが山のような資料を持って立っていた。
「何すればいいの?」
「これさ、職員室のコピー機でコピーしないといけないんだ。生徒全員分。手伝ってくれないかな」
エドワードはまだ生徒会室に来てない。いつもなら授業を早く抜け出してくるのに。
どうしようかと少し迷ったあと、あたしはうんと頷いた。
「でも、ちょっと待ってて」
そう言って、慌ててエドワードにメモを残す。
――エドワードへ。
マイクと一緒に職員室に行ってきます。資料のコピーをしなきゃいけないの。     
ベラ


エドワードはメモを見て軽く舌打ちをした。
普段だったら間違いなくエズミに注意される行為だ。
「まったく、あいつと二人っきりで行くなんてどうかしてるよ」
そうつぶやくと、誰にも気づかれないうちに生徒会室を抜け出す。
いらだって思わず歯軋りしたくなる。
急いで職員室までたどり着くと、コピー機の前にはベラとマイクが立って作業をしていた。
「はい、これ」
「オーケー」
から見れば、仲睦まじい光景に、エドワードは胸がちくりと痛んだ。
それでも気分を奮い立たせて、彼らに近づいていく。
「・・・ベラ。ずいぶん探したよ」
「あっ、ごめんなさい、エドワード。マイクにこれ頼まれちゃって」
今初めてマイクに気づいたかのように彼を見るエドワードは、怒りをこらえて一言言った。
「ぼくとベラは用事があるんだ。一足先に帰らせてもらうよ」
そう言いおいて、マイクの方など見向きもせずにベラの腕を強引に引っ張る。
驚いたように彼女がこちらを見るのがわかったけれど、いまさら遅い。
ぐいぐいと黙って駐車場まで引っ張っていくと、ぼくは初めて立ち止まった。
「エドワード・・・?」
少し不安そうな彼女の声を聞いて、一生懸命怒り、いや嫉妬を収めようとする。
黙っているぼくを見て、ベラは何かを感じたのか、うつむいてしまった。
「ごめん」
「何で謝るの?」
「君を黙って連れ出した」
ぼくの言葉に、ベラは寂しそうに笑った。
「別に怒ってなんかいないわ。あたしの方が謝らなくちゃいけないもの」
「え?」
「・・・あなたに言わないで勝手にマイクと一緒に行っちゃったから」
「君は悪くないさ。ぼくが・・・この、どうしようもない醜い気持ちを抑えられないのがいけないんだ。君は物じゃないのに、つい独占したくなってしまう」
つい口調が、自嘲気味になってしまう。
どうしてベラのことになると、こんなに上手くいかないんだろう。
「・・・あたしは構わないわ」
思わず顔をあげて、ベラを見ると、彼女は少し遠慮がちにぼくに笑みを浮かべた。
「やきもち妬いてくれたってことでしょ?」
言葉に詰まって何も言えなくなる。
「ちょっと嬉しかったの」
そう言ってはにかんだように笑うベラに、思わずぼくも笑みをこぼした。
「君のことになると、どうしても自分の気持ちがコントロールできない。ぼくは吸血鬼で、人間の血を飲むことは、他の吸血鬼よりもこの上なくコントロールできるというのに!」
呆れたようにぼくが言うと、ベラはいたずらっぽく目を輝かせた。
「それってあたしが特別ってことでしょ?」
「そんなの言わなくてもわかってるだろう?」
そうつぶやいてベラをぎゅっと抱きしめる。
この温かいぬくもりが、いつも自分のそばにいてくれる。
だからぼくは自分を見失わないでいられるんだ。
言葉にできないほどの感謝を込めながら、そっと彼女の髪を指で優しく梳く。
その感触がくすぐったかったのか、ベラはくすっと笑ってぼくの頬を指で何度もなぞった。
「・・・もしもあなたが苦しかったら、あたしが助けてあげる」
まるで念じるようにつぶやいたベラの言葉に、ぼくは息をのんだ。
「いつだってあなたは、あたしの特別なのよ」


秋の涼しい風の中、多分ぼくの腕の中の存在だけはきっと何倍も温かだった。
ぼくの特別も君以外考えられないよ。
そう思いながら、ぼくは再びそっとベラを抱きしめた。


りちゃーどさんへの相互記念小説です。りちゃーどさんのみお持ち帰りOKです^^やきもちやさんのエドワードで甘々&コミカルな、というリクでした。ずいぶん予定していたより長くなってしまいましたが、エドワードのやきもちはかわいいですよね。ベラの言う通り、百歳過ぎてるとは思えません(笑)

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