Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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生徒会は大混乱 take.1                 

「ベラ、良かったじゃない。生徒会長に推薦されてたわよ」
「えっ?」
あたしは体育館に向かう途中ですれ違ったジェシカにそう言われ、呆然とした。
「ちょ、ちょっとそれ、どういうこと?」
「あら、ベラはまだ知らなかったの?あなたのこと、男子が何人も生徒会長に推薦してて、立候補者もいないから、有力候補だって話だけど」
うそ・・・。突拍子もない話を聞かされて、あたしの頭の中は真っ白になった。
生徒会長?絶対無理。ただえさえ目立ちたくないのに。
あたしの運はホントにつきちゃったのかも。
そんなことをとりとめもなく考えながら、あたしはため息をついた。
あとで、選挙管理委員会に辞退を申し出なくっちゃ。
あたし、そういうのやりたくないもの。
この日の体育はホントに散々だった。いつにも増して、集中できない。
いらいらしながらボールをパスしたら、それはすさまじい勢いで相手に襲いかかっていくし。
ひたすら謝りながら、あたしは早く終わることを願った。


「マイク、選挙管理委員会の部屋って何階だったかしら」
「2階だよ。でも、どうしたの?」
「ちょっと用事があって。今の委員長って誰なのかしらね」
「あれ、知らなかった?ぼくだよ」
ちょっと自慢気に話すマイクを見て、あたしはますます運がつきたことを確信した。
あ、なら話が早いんだけど・・・」
「何?」
「実はあたし、生徒会長に推薦されてるみたいなの。でも、あたし家でやることとかあるからできれば辞退したいのよ」
あたしの言葉に、マイクは驚いたように言った。
「でも、推薦されてるわけだし。やってみたらいいんじゃないかな」
「あ、あたし、家でやることとかあるから、放課後とか残れないのよ」
やることなんてないわ、と思いながら、無駄な抵抗を試みる。
「大丈夫だよ。副会長とかに指示を出しておけば、みんながやってくれる」
「えっ・・・でもみんなに悪いし。それに、あたし、そういう器じゃないのよ」
ひきつった笑みを浮かべながらあたしが反論すると、マイクは困ったような顔をした。
「そんなことないと思うけどな。みんなが君にぴったりだって思ってるから推薦してるわけだし。それにぼくも一緒に活動することになると思う。いい機会だからやってみれば?」
もうこれ以上言ってもあたしの勝ちは見込めないと判断して、あたしはマイクと別れた。


駐車場の方へと廊下を歩いていくと、背の高い人物があたしの方へ顔を向けた。
こんなときでも思わず顔がほころんでしまう。
「エドワード」
「遅かったね」
「ごめんなさい、ちょっと用事があって」
ため息気味に答えると、エドワードはくっくっくっと小声で笑って言った。
「生徒会長の推薦受けて、辞退してきたんだろ」
「何で知ってるの!?」
あたしは驚いてエドワードをまじまじと見つめた。まさか監視してたとか?
「ぼくも聞いたから。その話。君のことだから嫌がるだろうなぁと思って」
「当たり前でしょ!放課後もあなたと一緒にいられないじゃない」
小声で叫ぶという難しいことをしたあたしは、再びため息をついた。
「それに、副会長が誰になるかもわからないのに・・・」
そう言ったあと、あたしは次のエドワードの言葉に度肝を抜かれた。
「じゃ、ぼくが副会長だったら?」
「な、何言ってるのよ、エドワード。ふざけないで」
「ぼくは大真面目だよ」
真剣な口調のエドワードにあたしは思わず空を仰いだ。
まったく太陽の光が届かない、曇り空。
「あのね、あたしが生徒会長で、あなたが副会長なんてありえないわよ。考えるんだったら、逆のパターンでしょ」
「でも君は生徒会長に推薦されてるんだろう。だったらぼくが副会長に立候補すればいい」
「でも・・・本当になれるかわかんないわよ」
「大丈夫さ。君は推薦を受けてるからかなり有力だし、ぼくのことは心配ないだろ」
まぁ、それは確かに言えてる。
エドワードがもし立候補したら、負けるなんてありえない。絶対に当選するだろう。
学校の生徒たちからは絶大な人気と信頼があるもの。
「まぁ・・・ね」
まだ気乗りしないあたしの様子を見て、エドワードは呆れたようにため息をついた。
吐息が頬にかかってくすぐったい。
「ベラ、まだ君はわかってないみたいだな」
「え?」
「もし君が当選したら――おそらく当選するだろうね――、ぼくは君を危険にさらすことになるんだ」
あたしはエドワードの言葉に首をかしげた。
「どういう意味?」
「いいかい、ベラ。マイクのことを忘れるな。あいつは選挙管理委員長だ。君が当選したら、放課後は一緒に活動できると思って狙ってるのは他でもないあいつだ」
「そんなわけ」
ないわ、と言おうとして、さっきのマイクの言葉を思い出す。
『それにぼくも一緒に活動することになると思う』
・・・やっぱりエドワードが正しいのかも。こっちもいい加減付きまとわれるのは嫌になってきた。あたしはファンクラブにいい顔する、アイドルタイプじゃないのだ。
「・・・あるわね」
諦めたようなあたしの口調に、エドワードはほっとしたように頷いた。
「だろう?だからさ、ここはぼくの考えにまかせて。君はそのまま当選するのを待ってればいい。副会長の選挙はその後だからね」
ちょっと不安にならないわけではないけど、あたしにはどうしようもない。
わかったと頷いて、あたしはすっかりなじんだボルボの助手席に乗り込んだ。


選挙当日。
幸か不幸か、あたしは生徒会長に見事当選した。でも・・・全然嬉しくない。
多分嬉しいのは、マイクやエリック、それにタイラーぐらいだと思う。
周りの友達は皆、当選おめでとうと言ってくれるけれど、あたしはひきつった笑みを浮かべた。
「本当は生徒会長、なりたくなかったんでしょう?どうして辞退しなかったの?」
遠慮がちにたずねてきたアンジェラに、あたしはため息をついてから、言った。
「あたしも辞退したかったんだけど・・・選挙管理委員長が誰だかわかる?その人が認めてくれなかったのよ」
「あぁ・・・マイクはあなたが当選することを望んでたものね」
「そういうこと」
疲れきったようなあたしの声色に、アンジェラが同情の目線を投げかけてくる。
ささやかだけど温かい友情に、あたしは心の底から感謝した。


「エドワード・カレンが副会長!?」
タイラーの素っ頓狂な声に、カフェテリアにいた生徒の半分以上がこっちを振り向いた。
「そうだって・・・」
マイクのがっかりしたような表情に、あたしの心は痛むどころか、嬉しくてたまらない。
何であれ、エドワードと一緒にいられるのなら全然サイコー。もう望むものなんてない。
「良かったじゃない」
後ろから声をかけてきたのは、アリスだ。
「うん。ありがと」
にっこり笑って返すと、アリスはにんまりと笑った。
「これでエドワードもあいつらを思う存分追い払えるわね」
「えっ?」
マイクたちの方を顎でしゃくったアリスは、満足気に言った。
「いつもいつも悪口ばっかり聞かされるのはうんざりしてたとこだったのよ。ま、蹴散らせば気が済むでしょ。エドワードも」
「はぁ・・・」
「勝手なことを言わないでくれるかな、アリス?」
不機嫌な顔をしたエドワードがいつの間にか来ていたことに気づき、あたしは慌てて彼のほうを振り向いた。
「ぼくは悪口なんて言ってないね。事実を述べただけだ」
「似たようなもんでしょ」
呆れたようにつぶやくアリスの言葉に、あたしは思わず苦笑いをする。
「さぁ、ベラ。行こうか」
「えっ。どこへ?」
「決まってるだろ。ぼくたちの新しい仕事部屋さ」
生徒会室に連れて行かれたあたしは、このとき恐ろしいものを目にすることになる。
生徒会とは名ばかりで、実際は――。

to be continued...


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