Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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Let's go to camping!                 

「エドワード」
あたしはため息をついた。
彼がこんな風になるときは、要注意だってことを忘れてた。
「ベラ、頼むよ」
あのうるんだゴールドの瞳が訴えかけてくる。
「イヤだってば」
そう言いながらも、自分の心が傾きかけてるのがわかる。
エドワードもそれを感じ取ったのか、ますます拍車をかけるようにあたしを説得しようとする。
「ベラ、きっと楽しいって」
「ウソよ」
あたしは顔をしかめて、目を閉じた。彼の瞳を見てしまったら、勝ち目はないと思うから。
あたしたちは今、カレン家のリビングにいる。
もめてる原因は、キャンプ。
今度、学校でキャンプがあるらしい。もちろん希望制だけど、エドワードが絶対行くといって聞かない。何でだか、理由はさっぱり。
あたしは行きたくないって言ってるのに。そんな、キャンプなんてろくなことがないに決まってる。
特にあたしみたいなタイプにとっては。転んだり、けがをしたり。
普通の生活をしていたってただえさえ危ないあたしに襲い掛かる困難の数々を予想すると、恐ろしくなってくる。
なのに、アリスまでエドワードの味方についてしまった。
「ベラも行こうよ。意外と楽しいって。それに、怪我の心配は必要ないでしょ、エドワードも行くんだから」
あたしはアリスに反論しようとして、つい目を開けてしまった。
その瞬間、エドワードの視線にくらくらして何も言えなくなってしまう。我ながら情けない。
「行くだろう?」
エドワードの問いに頷いてしまった。あたしは深いため息をついた。何だか悪い予感がする。


1ヵ月後。
あたしはチャーリーに驚きの目で見送られながらキャンプ場へ向かった。
チャーリーが止めてくれればよかったのに。そうすれば、あたしは家にいる口実ができてエドワードだって諦める。ホントにツイてない・・・。
「ベラ、こっちこっち」
声に振り向くと、アリスが大荷物を抱えて立っていた。
「どうしたの、その荷物」
「あぁ、これ?ジャスパーのも持ってるから」
「そうなんだ。ジャスパーとエドワードはどこ?」
「ん、あっちにいるわよ」
そう言ってアリスは視線をバスの方へ向けた。
エドワードとジャスパーが、何か話しながらバスのところで立ってる。
アリスと一緒に近づいていくと、エドワードたちは話すのをやめてにっこり笑ってこっちを見た。
「ベラ。荷物かして」
渡すと、エドワードはすっとそれをバスの中へ運び入れた。
「ずいぶん楽しそうじゃない」
行きたくない、という気分が強くて不機嫌な声になる。
「そりゃ、そうよね。キャンプなんて久しぶりだし」
アリスが鈴の音のような声で明るく笑った。ジャスパーもにこにこしている。
何だかそれを見ていると、ひとりだけこんな気分に浸っているのもバカらしい気がしてくる。
あたしはすっと視線をそらすと、バスに乗り込んだ。
「ベラ!君もキャンプに行くんだ」
エドワードがそばにいないから、マイクが話しかけてくる。
「えっ、うん。そうなの」
「良かった。きっと楽しいよ」
そうだといいけど、と心の中でつぶやきながら席につく。
しかも何という巡り会わせだろう。マイクの席はあたしの真後ろ。これじゃエドワードが隣に来たら、戦争じゃない。
まぁ、前ほどはマイクもうるさくなくなったけど。そう思っている自分に、ちょっと嫌気がさして、あたしはしかめ面をした。
隣の席に、エドワードがすっと席についたのを見て、あたしは日がさしている窓の外を眺めた。なぜか気分が明るくなっていくのを感じながら・・・。
「ベラはどのコースへ行くんだい?」
「えっ」
あたしはマイクに聞かれてうろたえた。コースなんてあったっけ・・・。あたしが考えている間に、代わりにエドワードが答える。
「彼女はぼくたちと同じ山間探索コースだ」
山間探索!?
あたしは驚いて、口を開こうとした。
それを見越して、エドワードが指先であたしの唇をそっとふさぐ。真っ赤になった頬は、幸いなことにマイクには見えなかったみたい。
「ふうん。おもしろそうだな」
マイクはちっともおもしろくなさそうに答えた。あぁ・・・この頃はマイクも諦めてくれたと思っていたのに。
エドワードと喧嘩になる、なんて無様なことにならないようにあたしは祈った。
後ろの席が静かになると、あたしはとなりのエドワードに迫った。
「ちょっと、どういうつもりなの!?山間探索って・・・いつの間にコースを勝手に選んだの」
「ん・・・こないだかな」
「何でこんなコースを選んだのよ?あたしが山登り苦手なの知ってるくせに」
「だっておもしろそうじゃないか。それに心配ないよ、君を怪我させるつもりはない」
「そんなこと言ったって・・・」
あたしは黙ってうなだれた。山の中なんて、あたしが怪我をするのには絶好の場所だ。
エドワードがあたしのそばに一瞬も離れずにいない限り、間違いなくあたしは大怪我をする羽目になる。もう、全然動かないで座ってた方が無難かも。
少し心配になったのか、エドワードが顔を覗き込んでくる。
「大丈夫だって。ちょっとしたハイキングみたいなものだよ。ずっと山にいるわけじゃないんだし」
あたしは黙って彼の瞳をにらんだ。
「アリスたちは?」
「同じコースだ」
「そう」
ちょっとだけ安心した。
エドワードがいないときでも、アリスに助けてもらえる。それならあたしが無事にこの危機を乗り越える確率も上がるわけだ。


何時間かバスに揺られた後にたどり着いたのは、ホントに山の中だった。
まぁ、フォークスだって山に近いから予想はしてたけど。いくらもう春とはいえ、山は寒い。一応と、持ってきたマフラーをぐるぐる巻きにする。
エドワードがとなりでため息をつくのが聞こえた。
「ベラ」
「なによ」
「君はもうちょっと・・・」
「寒いのは嫌いなの」
「まぁ、いいんじゃない。服装ぐらい好きにさせてあげれば」
この声の主はアリスだ。振り向くと、ジャスパーのとなりで楽しそうに笑ってる。
「みんなで頂上まで行った後は、自由時間があるらしいわ」
「何するの?」
急に興味を引かれてたずねた。
「何でも」
アリスが肩をすくめて言う。
「でもどうせなら奥まで行ってみたいな」
「ベラは大丈夫なのか?」
アリスの言葉にジャスパーが心配そうにたずねた。何のこと?
「ぼくがついてる」
エドワードが自信満々に言う。
「ちょっと、何の話よ」
たずねると、アリスが少しためらってから口を開いた。
「あのね、"探索"するの」
「え?」
「ん・・・そのままよ。山の中を探索して歩くの。えーと、走るって言った方がいいかもしれないけど」
あたしはちょっと考えて、大丈夫だろうと判断した。エドワードがいてくれるなら、多分何の問題もない。
「あたしも行くんでしょ?」
「イヤだ?」
アリスがちょっと不安そうに聞いてくる。
「ううん。大丈夫」
「そう。じゃぁみんなで行けるね」
ジャスパーがアリスの横でそっと笑った。


「キャーーーーーーー!!」
あたしは思いっきり叫んだ。
「ちょっと、エドワード!やめて!」
「大丈夫だよ」
エドワードがあたしの頬にキスをする。
「ちょっと、前見てってば!」
こんなにすごいスピードで走ってるっていうのに、後ろを向くなんて。信じられない。
「木に激突するつもりなの!?」
あたしはエドワードが風を切る音に負けないように、大声で話した。
「まさか」
エドワードは一瞬激しく笑って少しスピードを緩めた。
「何だかぼく自身がジェットコースターになった気分だな」
彼はそっとあたしを下ろした。
「大丈夫か?」
「・・・うん」
あたしは自分で走ったわけでもないのに、あえぎながらゆっくりと地面に腰をおろした。
「もう二度とこんなとこ来てやらない」
ふてくされて文句を言う。
「わかってるって」
「ちょっとやりすぎたんじゃないのか?」
ジャスパーがあたしを同情の目で見ながら言った。・・・あたしってかわいそう。
「じゃぁもう少しゆっくり歩く?」
アリスが提案に、エドワードが首をふった。
こんなにすごいスピードで走ってるのに、誰も息が切れてない。
「大丈夫だよ。別行動にすればいいさ」
「それでも大丈夫かな」
「あぁ。またさっきのところで待ちあわせよう」
「うん。わかった。じゃぁね、ベラ。また後で」


「ベラ」
「なに」
顔を上げずに答える。
「歩けるか?」
「多分」
まだ少しめまいがするけど、それほどでもない。あたしは立ち上がってエドワードに支えてもらった。
「こっちに見せたいものがあるんだ」
「なぁに?」
「行けばわかるよ」
あの、いわくありげな微笑みが浮かぶ。あたしもつられて少し微笑んだ。
少し歩くと、大きな滝が流れていた。
「これが見せたいもの?」
「いや、違う」
滝の音が大きくて、聞き取りにくい。
「こっち」
滝に見とれていたせいで転びそうになって、慌ててつないでいる指先を握り締める。
もう少し行くと、壮大な景色が広がっていた。大きな湖が目の前にある。
あたしは目をみはった。あまりの美しさに、あたしは呆然と立っていた。
輝くような水色で、一面が覆われている。太陽の光が反射して、まるで宝石箱のように。
「きれい・・・」
「気に入ったのならよかった」
山の涼しい空気のせいか、まだ湖の一部は氷が張っている。
そっと指を水に浸すと、冷たくてあたしは身震いした。
「こんなきれいな場所、いつ見つけたの?」
「一年前に、家族でここへ来たんだ」
「そうだったんだ・・・」
「うん。この景色が忘れられなくて。君にも見せたかったんだ」
「もしかして・・・だからこんなにこのキャンプに行こうって言ってたの?」
「そうだよ」
そう言って、エドワードは照れくさそうに笑った。
「サイコー。これより素敵なものなんてない」
あたしの目に浮かんだ透明な涙を、エドワードの指がそっと拭ってくれた。
「さぁ、もうすぐ時間だ。帰ろう」
「うん」
あたしは頷くと、最後にその湖を目に焼き付けて立ち上がった。
最高の贈り物をありがとう。
そう、心の中でつぶやきながら。

(あとがき)
ベラは運動系のものはすべて拒否しそうです(笑)たとえエドワードの誘いでも。
カレン家はいろいろ旅行してそうなので、こういうのもアリかなぁと。

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