Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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思い出ふわり                 

今日はエドワードと一緒にフェニックスへ行く。ただ、真昼間には外へ出られないけど。
でもやっぱりあたしはどきどきしてしまう。だってママに会いにいくのに、エドワードも一緒に来るなんてちょっと恥ずかしい。
「ベラ!そっちじゃないよ、エントランスは」
エドワードの声にはっと我に返って目でエドワードを探す。探すまでもなく、すぐ隣で手を引いてくれていたんだけど。
「あっ、うん」
慌ててエドワードのそばへ寄ると片手でぎゅっと引き寄せられる。
その優しい蜂蜜色の瞳に、あたしは胸がどきどきした。こうやってエドワードのそばにいられるなら、どんなこともできる。
飛行機に乗ると、隣に座ったエドワードはあたしの手をもてあそび始めた。
くすぐったくて声をあげたくなるけど、我慢する。他の乗客に見られたら恥ずかしくて顔があげられないもの。
しばらくすると、あたしはフライトアテンダントの声で目が覚めた。いつのまにか、エドワードの腕の中で眠ってしまったみたい。
ふと彼を見ると、エドワードは無表情な顔つきで窓の外に広がるフェニックスを眺めている。
ホントに久しぶりの場所だ、ここは。いつもママがフォークスに来るばっかりで、あたしはあまりここに来なかったから。
理由は、もちろんエドワード。太陽の中にエドワードを連れていくなんて、そんな危険なことは絶対にしない。
ヴォルトゥーリに未来の結婚相手を殺されるなんて耐えられないし。
飛行機を降りて、あたしの家っていうか、今はママとフィルの家へ向かう。今は夕方だから、エドワードも一緒に歩ける。
いつもそばで握っていてくれる優しい手を、ぎゅっと握りながらあたしは幸せな気分だった。
駅までママが迎えにきてくれるって言ってたけど遠慮した。ママだって忙しいんだし。
そういえば、今の仕事は続いてるのかな?あたしはそんなことを考えながら歩いた。
「そういえば、君のお母さんは君がぼくと付き合ってることを知ってるんだよね?」
ふと思いついたように聞かれたあたしは、言葉に詰まった。
「え、えーと、うん。まぁ知ってると思うけど」
チャーリーが話してればね、と心の中でつぶやく。
だけど娘がもう彼氏を見つけて付き合ってるなんて、チャーリーが言うわけない。
しかもよりによってママに。病院で、エドワードとは一回会ってるからそんなには驚かないと思うけど。
あたしはママが動揺したりしないことを心の中で祈った。



「ママ、久しぶり」
「こんばんは。お久しぶりです、ミズ・スワン」
「あ、あら」
ママは玄関へ出てきて、エドワードをまじまじと見た。
「エドワード、だったかしら。前に病院で会ったわよね」
「はい。以後お見知りおきを」
エドワードは流れるような口調で言うと、輝くような笑顔を見せた。
あたしはため息をついた。こんな風に言わないでくれるといいのに。あたしの存在が、ますます冴えないものになる。
「ベラと仲良くしてくれてるのね。二人とも飛行機はどうだった?長かったでしょう」
「うん、まぁね。でも寝てたから」
「そう?」
エドワードを少し怪しむようにちらりと見ると、ママはキッチンの方へ行った。
「もう少しでフィルも帰ってくると思うわ。一緒に夕ご飯が食べられるわね」
あたしはぎくっとした。ママには言ってないことが一つあるんだった。
「あ、あのね、ママ。あたし、実は今日、ホテルに泊まるつもりなんだけど・・・」
「何言ってるの、ベラ!そんなこと言ってなかったじゃない。ここに泊まればいいでしょう?」
「え、でももう予約しちゃったし」
「キャンセルしなさいよ」
「いいって、ママ。フィルにも迷惑かけるといけないから。明日、また来るわよ」
「ベラ、家族に遠慮してどうするの。何なら、エドワードも泊まっていってもいいから」
あたしはため息をついた。あたしも頑固だけど、ママも頑固だ。
それまで黙って聞いていたエドワードが口を開く。
「ぼくも泊めていただけるなら、こんなにいいことはありません。ベラ、ホテルの方はぼくがキャンセルしておくよ」
てっきり否定してくれるものだと思ってたから、その言葉にむっとする。せっかく二人きりで過ごせると思ったのに。
でもあたしはしぶしぶ頷いた。だって、これ以上あたしが言ってもムダだと悟ったから。
「じゃぁ、夕食の準備をするわね」
ママはキッチンで料理をしはじめた。あまり想像力豊かなものじゃないといいけど。
「ねぇ、ちょっと。どういうつもりよ。せっかくホテルの部屋とったのに」
あたしの小声の文句にエドワードはいきなり笑い出した。
「そんな顔するなよ、ベラ。ぼくはやろうと思えば誰にも気づかれずに君の部屋に入れるんだから」
エドワードはにんまり笑ってる。あたしはその言葉の意味を飲み込むまでに、少しかかった。
「っ・・・。そういうことじゃないってば!!」
「ベラ、ちょっとこっちで手伝ってくれない?」
ママの声がキッチンから響いた。あたしはいそいそとそっちへ向かう。
「何、ママ?」
ママはちょっぴり心配そうな顔であたしを見つめた。
「あなた、本当にホテルに泊まるつもりだったの?」
「え?うん、まあそのつもりだったけど」
心配性のママに、慌ててあたしは付け加えた。
「あっ、といっても、部屋はエドワードとは別々だからね。当然」
「そう。ならいいんだけど。あんまり早すぎる結婚は、あなたにとっても相手にとってもよくないわ」
あたしはその言葉に真っ赤になった。
「な、なに言ってるの。ママ。あたしはそんなこと考えたこともないわよ」
これはちょっとウソ。すでに結婚を申し込まれたって言ったら、ママはどうするんだろう。
しかも相手は、今日ここに泊まっていくエドワードだって知ったら。
おまけにあたしはその返事にYESと答えることを決めたことを知ったら。
これは言わない方が良さそうだと、あたしは判断した。


夜。
「ママ、お休み。フィルも、お休みなさい。また明日」
「じゃぁね、ベラ。また明日」
そんなやりとりをして、部屋に行く。
ベッドの上にごろんと横になると、あたしはぼーっとして天井を眺めた。
懐かしい壁のしみ。小さな勉強机。何もかもが机の上に置いてある新しいコンピューター以外、同じだ。変わってない。
小さいときの思い出がよみがえってきて、あたしはそっと目を閉じた。
・・・。
「眠ってるのかな?」
エドワードの小声が聞こえて、パッと目を開ける。
「エドワード。驚かせないでよ」
「ごめん。眠ってるのかと思った」
「あなたがそばに来てくれるまでは眠らないって決めてるもの」
あたしの言葉に、エドワードはくすっと笑った。
「それは大変だな」
静かに腰を下ろす。今さらながら、その優雅さに目を奪われた。
「どうした?」
覗き込んでくる瞳が優しすぎて、あたしは目をそらした。
慌てて話題を変える。
「別に。ねぇ、あなたは家族のこととかって思い出す?」
「うーん。あんまり。でもたまにふっと思い出したりすることはあるよ」
適当な質問だったのに、エドワードはきちんと答えてくれた。
「そっか・・・どんな人だったのか、教えてくれる?」
「父親は、あんまり記憶がないんだ。母と寄り添って、嬉しそうにしていた姿は記憶にあるけれど。仕事で家にいなかったのだろうね、ぼくが接することはあまりなかった。そもそも、あの時代は今のように親子のふれあいが多いわけではなかったから。だけど、ぼくにも一つだけ思い出があるんだ。あるとき父が、母に贈った結婚指輪をぼくに見せてくれた。あまりに繊細で、綺麗で、心を奪われたよ。宝石類には興味がなかったけれど、それでも素敵だとは思った」
エドワードは少しためらった後、話してくれた。以前聞いたけれどはぐらかされたから、今教えてもらえるのが嬉しくてあたしは耳を澄ます。
「母親は、優しい人だったけれど少し厳しくもあった」
「一緒に病院に運ばれたのよね。スペイン風邪で」
「そうだ。彼女はぼくが戦争に行こうとするのを本当に嫌がっていた。周りの青年たちと同じように、戦争に対して熱狂するぼくを許せないと思っていたといっても大袈裟ではないだろうね。ぼくのことを愛してくれていたがゆえに、戦争への憎しみは強かったんだろう」
「グリーンの瞳だったんでしょう?」
「そう。ぼくの目の色は彼女の瞳にそっくりだと言われた」
「彼女にとって、ぼくは一人息子だったから失いたくなかったのだろう。彼女は全ての悪からぼくを守ろうと躍起になっていた気がする。それでも、過保護だとか言って単純に良くない親だったとは思えないんだ。彼女は彼女なりに、ぼくを愛していたことは事実だから」
あたしは黙ってエドワードにそっと寄りかかった。まぶたが自然と落ちそうになる。
「誰もあなたのご両親を責めたりはしないわ。戦争が良くないことだなんて、今の時代誰でも知っていることよ。ただそれをなくそうとしない、一部の為政者にふさわしくない人物がいるというだけ」
「ありがとう。さあ、もう眠って。ベラ

ベルベットのような声に導かれて、あたしは眠りにおちた。

(あとがき)
3000打記念小説。何だかオチがよくわからない・・・(汗)
とにかく、フェニックス行きへの切符を手に入れたベラとエドワードが旅行するのを書きたかったんです!テーマは"家族"でした。

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