Eternal wonder
なごみまくりの徒然日記。暇つぶしにどうぞ。

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再び                 

窓から、かすかな光が差し込んでくる。
おかしいわね。昨日、きちんとカーテンをしめたはずなのに。
あたしは寝ぼけたまま、立ち上がろうとしてふと思いとどまった。
待って。ここはフェニックスじゃない。
こんな太陽が見えるなんて、普通じゃありえないはず。
夢なのかも。
目を擦りながら、もう一度外を見つめる。
「ウソ・・・」
ホントに晴れてる。
あたしは思わず飛び上がった。やった、たまにはこんなこともあるんだ。
今日は春休みの初日。
あたしの外出禁止期間も昨日で終わりを告げ、チャーリーは釣りに行くみたい。
もちろん、今までだってずっとエドワードとは会えてたけど、でもやっぱり堂々と会えた方がいいに決まってる。
窓から侵入されるのも、ちょっと心臓に悪い気もするし。
あの―――つらすぎるから、できるだけ思い出さないようにしてるけど―――イタリアでの「事件」から、初めての2人での外出。
もちろん、あの直後にカレン家に行ったのは除くけど。
チャーリーを玄関で見送ると、流し込むように自分の分を食べる。
早くエドワードに会いたくて、心臓がバクバクする。
そそくさと食べ終えると、鏡の前で歯ブラシをしっかりと持つ。
何だか落ち着かなかったのが、すっと静まって、あたしは思いっきり伸びをした。


歯磨きを終えると、服を着替えて2階の窓から背伸びをする。
下を見ると、いつものようにエドワードのボルボが止まっていて、思わず微笑んでしまう。
階段をスキップするように下りて玄関のドアを開けると、エドワードが目の前に立っていた。
もう慣れてもいいはずなのに、あまりの美しさにくらくらしてしまうのは変わらない。
「おはよう、ベラ」
「入ってていいわよ」
できるだけ普通に話そうとするけど、やっぱり声が上ずってしまうのが自分でもわかる。魅惑的なこのベルベットのような声を聞いて、平然としていられるなんて、やっぱり考えられない。
「今日はどこへ行くの?」
「どこへでも。・・・君の行きたいところへ」
訊ねると、エドワードは肩をすくめた。特に案がないから、考えてということだ。
あたしはしばらく考えた後、エドワードの方を向くと答えた。
「じゃぁ、あの草原に行きたい。ずっと行ってなかったし」
あそこはローランという、恐ろしい記憶の場所でもあるけれど、でもやっぱりエドワードとの思い出の場所。それにローランはもういないし、何よりエドワードがそばにいてくれる。そう思えば大丈夫のような気がした。
「草原?」
エドワードが顔をしかめるのを見て、あたしはちょっとだけ口ごもった。
「もちろん、あなたが嫌ならかまわないけど。ただ、あたしは他に思いつかないから、言ってみただけ」
エドワードはしばらく黙って考えたあと、口を開いた。
「ぼくは構わないけど、君は大丈夫?」
「うん。あなたがいてくれるから。心配しないで」


エドワードとともにゆっくりと山道を登る。
彼は前に来たときと同じように、あたしが歩きやすいように支えてくれた。
本当は走って行ってもいいのだけれど、こうしてゆっくりと登りたいというあたしの希望で、あたしたちは今こうしている。帰りは時間のこともあって走ることになったけれど。
山はやっぱり少し暑い。動いているからなおさらだ。
エドワードの冷たい手のひらはすべすべしていて、あたしは心地よさを味わった。
ちょうど1年前。
あたしはこの山道を登ってた。あのときは一人だったけど。
傷つきながらも、諦めきれずに、エドワードの面影を捜し求めて。
あのときのあたしは、ホントに無残な姿だった。
今ならわかる。
どれだけの人に心配をかけて、迷惑をかけたか。
でも、こうやってエドワードの隣に座っていられるなら、それはそれでいいかなって思う。
もしあの苦しんだときがなければ、あたしとエドワードは今も宙ぶらりんのままかもしれないから。
あのエドワードのいなかった地獄のような日々が、夢だったのかもって思えるくらい、あたしは今、エドワードを信じてる。自分がエドワードにふさわしいなんて思えなくて、ずっと心の隅で自信がないままずるずると来てしまっていたあたしは、だから彼から別れを切り出されてもあっさり信じてしまった。
今は違う、と思う。ふさわしいとか、ふさわしくないとか、そういう次元を超えてあたしにとって彼が必要で、彼にとってもあたしが必要だと理解できた。
もちろん自分が吸血鬼になれるって確信できたせいもあるかもしれないけど。
草原に到着すると、あたしはあたりを眺めまわした。
懐かしい景色。何も変わってない。
きれいな空気が体中に染み渡っていくような気がする。
横になっているエドワードのとなりにそっと腰を下ろすと、エドワードはかすかに目を開けた。
「夢みたい・・・」
あたしはつぶやいた。
「何が?」
一瞬ののちに目の前にエドワードの瞳が目の前にあった。
ドキドキして、思うように話せない。
「ん・・・初めてあなたと一緒にここに来たときと何も変わっていないのが」
「確かに夢みたいだな」
エドワードはつぶやくと、ぎゅっとあたしを抱きしめた。
「まさかもうすぐ君がぼくたちの仲間になるだなんて、1年前は想像すらしていなかった」
「・・・うん。あたしも」
少しぎこちなく笑うと、あたしは横になって空を見上げた。
そのまましばらく黙っていると、急にひやっとした手があたしの頬にふれた。
胸がドキドキする。何かが始まるんじゃないかっていう、いい意味での予感。
永遠とも思える長い時間が過ぎた後、(多分実際は何秒もなかったと思うけど)唇にひんやりとした感触があった。
軽く、触れるだけのキス。
「愛してるよ」
「わかってる」
頬が少し熱を持っている。
あたしはまだキスの余韻に酔いしれたまま、もう一度キスをねだった。
「もう一度」
「今日は欲張りだな」
エドワードが顔をしかめる。
「いいじゃない。せっかく外出禁止がとけたんだし、お祝いしてよ」
あたしの言葉に、エドワードはくっくっと笑うと、もう一度唇をあたしの唇に重ねた。
2度のキスで、少し息が上がる。
「こんなことしてるのをチャーリーに見られたら、また外出禁止になるな」
おもしろそうなエドワードを軽く睨むと、あたしは大きく息をついた。
「だとしても、かまわないわよ。あたしは」
少し驚いたようなエドワードから目をそらして、あたしは草の上にうつぶせになった。
草原に一陣の風が吹く。
「エドワード」
「うん?」
あたしは黙ったまま目を閉じた。
「あなたに出会えてよかった」
小さなつぶやきだったけど、エドワードには聞こえたみたい。
「ぼくも君に出会えてよかったよ」
こう返事が返ってきたから。


(あとがき)
shionnさんへの相互記念小説ですvshionnさんのみお持ち帰りどうぞ。らぶらぶなエドベラになってるような、なっていないような(汗)
相互リンク、ありがとうございました〜。

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